喫煙1日1箱で遺伝子に傷が、さらに心臓発作リスク8倍に
国立がん研究センターによると、がん患者5200人の遺伝子情報を分析した結果、
タバコを吸う量が増えると遺伝子の傷の数も多くなり、肺の場合は1日1箱の喫煙で、
1年間でできる傷は平均150か所であることが分かった。11月4日付の米科学誌サイエンスに発表した。
喉頭は97個、咽頭39個、口腔23個、膀胱18個、肝臓6個で、生涯を通じて蓄積される。
遺伝子の変異の起こり方は部位によって違い、肺や喉頭、肝臓などはタバコに含まれる発がん物質によって変異が引き起こされていたが、膀胱や腎臓などでは、喫煙によって細胞のDNAを修復する働きに異常が生じた可能性があるという。
タバコの影響を部位別に詳細に解析したのは初めて。
また11月30日、英国サウスヨークシャー心臓センターのEverGrech氏の研究チームが、心臓発作で治療を受けた成人1727人のデータを検証し、喫煙者の心臓発作のリスクは50~65才で5倍、50才未満で8倍になると学術誌「Heart」に発表した。
12月5日、米・National Cancer InstituteのMaki Inoue Choi氏らが米国29万人の大規模コホート研究で、たとえ1日1~10本の少量喫煙でも長期間継続することで、全死亡リスクは1.87倍に、特に肺癌死リスクは11.61倍になるという結果をJAMA Internal Medicine オンライン版に発表した。
同研究では、禁煙した年齢が若いほど死亡リスクが低くなることも示され、50歳以上で禁煙した場合の全死亡リスクは1.42になるが、それより若い年齢で禁煙した場合より高かった。
投稿日:2017年3月5日|カテゴリ:トピックス