舌下免疫療法 | 赤池耳鼻咽喉科医院 | 文京区 千石駅徒歩3分 耳鼻科 小児耳鼻
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目的
アレルギー性鼻炎の患者さんの体質を根本から変えて、長期にわたって症状を抑え、QOLを向上させる。
同時に患者さんの医療費負担も軽減される。
メカニズム
アレルギーの起き方と舌下免疫療法のメカニズム
大分以前から、皮下免疫療法は行われていました。
しかし、これは注射であり、最初は週に2回の通院が必要なこともあり、なかなか治療を継続することが困難でした。
この舌下免疫療法は、最初の1回は病院でやりますが、その後は自分で薬を飲むだけで治療を続けやすい利点があります。
メカニズムを簡単に言うと、アレルギー性鼻炎の根本となるIgE抗体の産生を抑制し、さらにそのIgEとスギなどのアレルゲンの結合を妨げ、症状が軽減します。
どの位で効果が出るか?
私の医院での経験では、スギの花粉症の場合、前年の10月から開始してもその次の年の花粉症症状はほぼ全員で軽減しています。
ただ、報告によれば有効率は約80%で、20%の方は効果があまりないと言われています。
これは個人差の問題のようで、原因はよくわかっていません。
そして、治療は最低でも3年、出来れば4年~5年と言われており、長く続けた方が効果も持続するようです。
ダニアレルギー治療薬ミティキュアが発売後約2年経過し、80名の患者さんが6ヵ月服用した結果、60~75%の方に効果が見られたとの報告がありました。
また、副作用はシダトレンに比べやや多く60~70%の方に認めれれたが、「口腔内のかゆみ」「のどが腫れた感じ」などの軽微なものがほとんどで、重篤な副作用は1例もなかったとの事です。さらに、小児に対する副作用は成人より少ない傾向があったとの報告もありました。
また、最近の報告ではダニにアレルギーを持っている気管支喘息を合併する患者さんに投与したところ、喘息に対する吸入薬の量を減らすことガ出来たとのことです。
平成30年6月29日より、スギ花粉治療薬「シダキュア」が販売開始となります。以前の「シダトレン」と違うところは、液体から錠剤になり、室温保存が可能になり持ち運びが容易なこと、錠剤に含まれるアレルゲンの量が多く効果の発現が早いこと、5才以上の小児にも使用可能になったことです。但し、新薬扱いとなり、1年間は処方の上限が2週間となります。
舌下免疫療法が受けられない方
ただし、以下の方は治療が受けられませんので注意してください。
- 11才以下の小児→平成30年2月16日に「ミティキュア」のみ、小児にも認可されました。
- 重症の気管支喘息の方
- 妊婦または授乳中の方
- 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
- スギ、ダニ以外のアレルゲンに反応が高い方
- 悪性腫瘍や免疫系の病気がある方