耳の病気 | 赤池耳鼻咽喉科医院 | 文京区 千石駅徒歩3分 耳鼻科 小児耳鼻
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耳ってどんな構造をしているの?
正常な耳の構造
正常な鼓膜の構造
耳のこんな症状ありませんか?
耳垢(みみあか)
たかが耳垢、されど耳垢です。遺伝により湿性(ベタベタ)と乾性(カサカサ)に分かれます。
少量の場合は家庭でも綿棒でとれます(耳かきは危険なので使用しない方がいいです)が、毎日する必要は無く週に1回ぐらいでで十分です。
取りにくい場合や小児は無理せず耳鼻科専門医で取ってもらって下さい。
耳鼻科医にとっては、耳垢を除去することは基本中の基本となります。何故かというと、疾患として最も多い中耳炎を診断するには耳垢を除去しないことには不可能だからです。
特に小児は、最初に痛みを与えてしまうと恐怖感が残ってしまい、その後耳を全く見せなくなってしまいますので注意が必要です。トラウマになって、一生残ることも有ります。耳垢を取る場合、耳鼻科専門医が使用する器具を用いれば痛みを感じることはまず有りません。増して、出血することなどは全くありません。子供さんが暴れた等という言い訳は通用しません。子供さんには罪は有りませんので、決して子供さんを責めてはいけません。また、耳垢が鼓膜に付着している場合も多く、他科の医師(小児科など)では危険な場合があります。耳垢取りのプロ=耳鼻科医に任せるのが賢明です。
耳に水が入った
プールなどで水が入った時、耳を下にしてトントンすると大体は出ます。
それでどうしても出ない時、綿棒などで取ろうとするのは非常に危険です。
耳に入った水は鼓膜の上に溜まるため直接鼓膜を傷つけることがあります。
ほとんどは自然に蒸発してなくなります。
どうしても水が抜けない時は耳鼻科を受診してください。
急性中耳炎
急性中耳炎の鼓膜所見
主に小児が風邪をひいた後、鼻から耳管を介して中耳に細菌が感染します。特に5才以下の小児が発熱した場合、中耳炎の有無は必ず確認しなければいけません。1才以下の小児は耳痛を訴えませんので視診による診断が必要です。その為には、正確に耳垢を除去出来ることが前提になります。
耳痛と発熱が主症状で、鼻の治療と抗生剤の内服が治療の中心となりますが、痛みが強い時、なかなか熱が下がらないなどの場合は、速やかに鼓膜を切開して排膿する事が必要です。(上記のような場合)この鼓膜切開という手技は耳鼻科専門医にしか出来ない手技ですので、上記の様な場合は、耳鼻科専門医への紹介をする事が必須になります。切開した鼓膜は、中耳炎が治ればすぐに元に戻りますので心配はありません。
一度中耳炎を起こした子供さんは、風邪をひくと再び中耳炎になる可能性が高いので、まずは耳鼻科を受診することをお勧めします。
また、保育園に通っているお子さんは、何度も中耳炎を繰り返すことも多いですが、その度に適切な治療を受けていれば心配はありません。
長期に渡る抗生剤の内服には注意が必要です。
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)の鼓膜所見
小児と高齢者に多い中耳炎です。
高齢者は耳管機能の老化が原因と考えられます。
急性中耳炎から移行する場合と副鼻腔炎が長引いた場合などになりやすいです。
無症状から、軽度~中等度の難聴まで様々で、特に幼児では気づかない事も多いです。
「普通に呼びかけても振り向かない」、「テレビの音が大きい」、「鼻の調子がずっと良くない」などがあれば、念のため耳鼻科専門医の受診をお勧めします。
診断は、殆どが鼓膜の視診のみで可能です。
必要に応じて聴力検査、インピーダンスオージオメーター、副鼻腔のレントゲン検査を行います。
治療は、鼻の調子が悪ければ鼻の治療を、明らかな難聴が認められれば鼓膜を切開し、浸出液を排出させます。
浸出液が粘調性の場合は再発率が高いので注意が必要です。
自然に治癒することも多いので、焦らず治療しましょう。
突発性難聴
朝起きたら突然片方の耳が聞こえなくなった、という症状はこの病気の可能性が高いです。
めまいを伴う事もあります。
原因は不明ですが、何らかのストレスが関係するとも言われています。
症状が起きてから1週間以上過ぎると、回復する確率がかなり下がりますので早めの受診が必要になります。
ほとんどは内服薬で治癒しますが、難聴が高度の場合には入院加療を要します。
耳鳴り
正常の人でも気圧の関係で耳鳴りがする事はありますが、すぐ消える場合は心配ありません。
夜、寝る前になると気になる、静かな場所に行くと鳴っている、などは病気の可能性があります。
上記の突発性難聴の症状かもしれないので、早期の受診をお勧めします。
もう何年も鳴っているので治らないと諦めていませんか?
耳鳴りは比較的高齢者で難聴を伴っていることが多く、何とか良く聞こうとして脳が異常興奮している状態です。
この場合は聴力がそれほど悪くなくても補聴器をかけて音が聞き易くなると、脳の興奮が治まり耳鳴りが消える事もあります。
諦めずに治療してみましょう。
また、稀に、耳鳴りで悩んでいた方が突然、脳出血、脳こうそくを起こす事があります。
この様な病気の前兆の可能性もありますので、内科的なチェックも必要です。
老人性難聴
老人とは言っても、実は50歳を過ぎると全ての人は難聴が始まっています。
生活習慣病、糖尿病などがあると、健康な人に比べて難聴が進行しやすい傾向があります。
また、以前に中耳炎の既往があり治療を十分に受けてこなかった方も多いです。
その他、長年、騒音の下で仕事をされていた方は特に進行が速く、仕事を辞めた後でも難聴が進行すると言われています。
遺伝性の要素もあり、両親のうちどちらかが耳が遠かった場合は注意が必要です。
難聴の初期は、本人はあまり不自由を訴える事は少なく、むしろ同居する家族が困って来られることが多いです。
1人暮らしの場合、人と話をするのが億劫になり引きこもりになりがちで、認知症の発症率も高くなります。
いずれにしても、一度悪くなった聴力は元には戻りませんので補聴器が必要になります。
補聴器のご相談
「周りからテレビの音が大きいと言われませんか」
「お孫さんの話を聞き取りにくいことはありませんか」
「電話で会話が聞き取りにくかったり、困ることはありませんか」
こんな症状でお困りの方は、当院まで一度ご相談ください。
まずは、精密な聴力検査を行い、その方の聴力に合わせて補聴器の調整を繰り返すことが必要です。
当院では、補聴器の専門員に出張してもらい、十分な時間をかけて説明をし、その方に最適な補聴器を選定し、貸し出しをして実感をして頂くことから始めています。
ただし、やや高額になる事もあるのが難点ですが、高ければいいという訳でもありません。
大切なのは、自分に合った補聴器を見つける事です。
小児先天性難聴
先天性難聴は世界中1000の出生に対し1の割合で生まれる最も多い先天性障害です。
小児先天性難聴の原因
- 家族内難聴(遺伝的小児期感音性難聴)
- 胎内感染(妊娠中のサイトメガロウイルス、風疹、梅毒、ヘルペス、トキソプラズマなど)
- 頭蓋顔面の奇形(耳介、耳管の形態異常を含む)
- 低出生体重児(出生体重1500g以下)、出生時仮死
- 聴器毒性薬物の使用(アミノグルコシド系抗生剤、ループ利尿薬など)
この様な小児先天性難聴のお子さんは言語能力を獲得するために、生後3ヶ月以内に診断を確定し、6ヵ月以内に補聴器または人工内耳を用いた聴覚訓練の開始が必要になります。
この為には新生児全員に、OAE(耳音響放射)やAABR(自動聴性脳幹反応)による聴覚スクリーニングが必要ですが、まだ100%ではありません。
また、これらの検査にパスしたお子さんの中にも一定数の難聴者が見つかっています。
よって、1才を過ぎた子供さんでも「言葉の覚えが遅い」「呼びかけに対する反応が悪い」等があれば、早めの受診をお勧めします。
めまい
めまいはその殆どが内耳の異常から起こります。
内耳には、音を感じる(蝸牛)と体の平衡を保つ(三半規管)があります。
両方とも異常が生じるとめまいと難聴が同時に起こります。
最も有名なのが「メニエール病」です。
激しいめまいと難聴、嘔吐などが主な症状で、入院が必要な場合もあります。
特徴として、一度症状が良くなっても6ヵ月~1年後に再発し、その後も再発を繰り返します。
最も多いのは「良性発作性頭位めまい症」です。
症状は軽いですが、ある一定の頭の位置(上を向いた時、右あるいは左を向いた時など)にするとクラクラとするめまいがします。
めまいの持続時間は短く、時間の経過とともに軽快します。
Epley法、Lempert法などの治療法もあります。 どちらも内耳の病気ですので、耳鼻科専門医による検査、診断が必要になります。